この記事では、心理学に興味がある方へ向けて、性格診断と心理テストの違いや、それぞれの特徴について解説します。自分自身や他者理解を深めるときの参考として、ぜひ最後までお読みください。
性格診断と心理テストは何が違うの?
性格診断と心理テストは、どちらも人の性格や心理状態を診断するものですが、両者には違いがあります。
性格診断は、個人の性格特性を包括的に評価し、その人の行動パターンや傾向を明らかにすることを目的としており、比較的長期的で安定した性格特性を評価するのに適しています。性格診断の評価には、特性を問う定型的な質問への回答から測定する質問紙法や、曖昧な図形や言葉などへの連想や反応から測定する投影法などの手法が用いられます。
一方、心理テストは、特定の心理的側面や能力に焦点を当て、その人の心理状態や適性を測定するものです。特定の場面や状況下での反応を測定し、その時点での心理状態を把握するのに適しています。
したがって、評価の目的や利用シーンに合わせて使い分ける必要があります。
性格診断や心理テストの結果は本当に当たっているの?
性格診断と心理テストの有用性は、その信頼性と妥当性によって評価されます。信頼性とは、テストを繰り返し実施した際の結果の一貫性を指し、妥当性とは、テストが測定すべき特性を適切に評価できているかを示します。それぞれ詳しく見ていきましょう。
信頼性
性格診断の信頼性とは、同じ人物に対して複数回診断を行った際に、その結果がどの程度一致するかを示す指標です。「同じ条件で診断しているのに、診断するたびに結果が変わる」場合は信頼性に欠けると言えるでしょう。
信頼性には、再現性と内的一貫性の2つの側面があります。再現性は、ある程度の期間を空けて同じ診断を行った際に、結果がどの程度一致するかを示します。内的一貫性は、診断内の項目間の相関関係の強さを示します。
信頼性の高い性格診断は、時間が経過しても安定した結果が得られ、診断内の項目間に高い相関関係が見られます。中でもビッグファイブ理論を用いた性格検査は、再現性と内的一貫性が高いことが知られています。
心理テストは、標準化された手順で実施され、客観的な採点基準を持つため、信頼性は比較的高いと考えられています。
妥当性
妥当性とは、その診断結果が実際の性格特性をどの程度正確に反映しているかを示す指標です。要は、「知りたいこと(目的)に対し、その診断で測定できるのか」ということです。例えば「自分の勤勉性を知るために行った性格診断で、仕事への価値観がわかった」のでは、たとえ信頼性が高くても妥当性は低いといえます。
妥当性の高い性格診断は、個人の性格特性を正しく捉え、適切な予測や判断を可能にします。例えば就職や転職のスカウトサービスに付随している診断を活用すると、求職者は自身の性格特性の理解に役立ち、採用者は自社が求める人物像に沿った人なのかを判断するのに役立ちます。
一方、心理テストは特定の場面や状況下での反応を測定するのに向いていることから、妥当性が高いものであってもその結果だけで判断せず、面接やほかの評価方法と組み合わせて判断するとよいでしょう。
自己理解のためには信頼性・妥当性の高い診断コンテンツを選びたい
企業のキャンペーンなどで無料で公開されている性格診断や心理テストは、信頼性・妥当性よりもエンタメ性に重点を置いていることが多いです。
就活で行われる適性検査などは一般的に、専門家が検証した信頼性・妥当性が高いものが提供されているため、自己理解にも役立つといえます。ただし、エンタメ性は重視していないため、診断自体を退屈に感じてしまったり、設問がわかりにくかったり、答えづらいと感じたりすることもあるかもしれません。
自己理解を深めるためには信頼性・妥当性の高い診断を行うべきですが、楽しさやわかりやすさを兼ね備えた診断を無料で公開している企業・団体は少ないでしょう。
信頼性・妥当性が高く、楽しい・わかりやすい性格診断で遊んでみよう
性格診断と心理テストは、人の性格や心理状態を理解するための有用なツールですが、それぞれの定義や特徴、信頼性と妥当性には違いがあるため、適切に使い分けられるとベターです。
ただし、これらの診断や検査の結果は絶対的なものではなく、あくまでも参考程度に捉えることが重要です。また、性格診断や心理テストを活用する際は、専門家の助言を求めたり、プライバシーに配慮したりするなど、適切な注意を払う必要があるでしょう。性格診断と心理テストを上手に活用することで、自己理解や他者理解を深め、より良い人間関係の構築や個人の成長につなげられる可能性があります。
性格診断の代表的なもののひとつに「ビッグファイブ理論」があります。ライトアップが作成したOCEANパーソナリティ診断は、心理学の専門家監修のもと、ビッグファイブ理論を用いて信頼性・妥当性・エンタメ性を両立させています。ぜひ、自己理解にお役立てください。